授業科目名
  通信工学
   Communication Engineering
時間割番号
2557
担当教員名
  岡本 英二
実務経験
反映科目
O
学科・年次
  工学部 電気・機械工学科
  工学部 創造工学教育課程
  3年次
科目区分
  専門教育科目
単位数
2
時間割
  前期 金曜5-6限
授業形態
講義
授業実施方法
  ☑ 対面【一部遠隔の場合あり】
  ☐ 全て遠隔【全授業(テストを除く)をオンデマンドで実施(全オンデマンド型)】
  ☐ 全て遠隔【同時双方向で実施】
  ☐ 全て遠隔【オンデマンド及び同時双方向で実施】
  ☐ 1/2遠隔【全授業のうち、1/2以上を遠隔(オンデマンド又は同時双方向)】

・「全て遠隔」又は「1/2遠隔」に✓のある科目は、遠隔授業の上限単位数60単位に算定されます。
・大学院には遠隔授業における上限単位数はありません。
ディプロマ・ポリシーとの対応
☐ 1. 人間,文化,社会を理解し,それらを技術的観点から考察する能力と技術を新しい生活につなぐ強い使命感・責任感,高い倫理観
☐ 2. 現象の理解・操作のための数理的基礎知識と科学的素養
☐ 3. 国内外の人々と対話できるコミュニケーション力と論理的思考力
☑ 4. (高度工学教育課程のみ)基幹となる専門分野の基盤的な知識・技術とこれによって課題を解決する能力,新たな知識・技術を習得する能力
☑ 4. (創造工学教育課程のみ)基幹となる専門分野の基礎知識と他の分野の知識・技術を関連づけ多面的に見ることで新たな価値を創出する能力
授業の目的・達成目標

【目的】

本科目では、電気電子工学を学ぶための基礎知識として、信号と雑音の数学的取り扱いと具体的な通信方式まで順をおって学ぶ。

【達成目標】

1.通信に使用される信号を理解し、スペクトルや電力について説明できる。
2.通信で現れる雑音について理解し、信号と雑音を数学的に表現できる。
3.波形伝送について理解し、伝送速度と帯域幅について説明できる。
4.アナログ・デジタル通信方式の原理を理解し、具体的な通信方式につき説明できる。
5.各種のデジタル通信方式を理解し、実際の応用を説明できる。

[関連科目]学んだ内容を用いる科目:情報理論、電気回路 II 、システム制御設計

       理解の助けになる科目: 通信システム

授業計画

各回数ごとの授業計画は以下の通りである.これ以外に授業の進展に応じ,適宜理解度確認のためのレポートを課す場合がある.ただしそのレポートは評価の対象にはせず,提出も任意である.

① 通信の目的、信号の取り扱い
初めに授業計画を説明した後,通信の目的と通信システムの典型的モデルを紹介する.通信信号を解析するのに必要な事項について概説する.

② 信号解析の基礎(フーリエ級数、フーリエ変換、インパルス関数)
信号を数学的に処理する際に必要な基礎的な事項について説明する.スペクトルの概念について述べた後,フーリエ級数、フーリエ変換について説明し,インパルス関数の数学的取り扱いを述べる.

③ 信号解析の基礎(雑音の表現、畳み込み積分、誤り率、相関関数)
引き続き信号を数学的に処理する際に必要な事項について説明する.通信路において生じる雑音の取り扱い,畳込み演算と通信の関係,評価基準である誤り率,信号の相関の意味について説明する.

④ アナログ信号のデジタル表現(標本化定理)
連続信号を離散的に取り扱う際に必要な,標本化定理について説明したあと,離散信号の性質について述べる.

⑤ ベースバンド通信方式(パルス符号化変調( PCM )方式)
標本化定理に基づいて標本化されたパルスをベースバンド(基底帯域)で伝送する通信方式について説明する.その代表的なパルス符号化変調と呼ばれる方式や,それ以外の方式についても触れる.

⑥ 波形伝送(フィルタ、アイダイアグラム)
信号波形をひずみ無く伝送するために必要な条件について説明し,フィルタの必要性,式での取り扱い,符号間干渉と呼ばれるひずみや,その性能を測るアイダイヤグラムについて説明する.

⑦ 中間試験
①~⑥の範囲で試験を行う.試験内容は達成目標の1.~3.の範囲に該当する.

⑧ アナログ通信方式( AM 変調)
ベースバンド伝送方式について触れた後,搬送波アナログ通信方式のAM変調について説明を行う.

⑨ アナログ通信方式( FM 変調)
引き続き搬送波アナログ通信方式のFM変調について説明を行う.

⑩ デジタル搬送波変調方式( ASK 方式、誤り率)
搬送波デジタル通信方式について詳細に説明する.まず,振幅を変更することでデジタル情報を伝送する ASK 方式について,原理や数式での取り扱い,伝送の特性などについて説明を行う.

⑪ デジタル搬送波変調方式( PSK 方式)
搬送波デジタル通信方式の内,位相を変更することでデジタル情報を伝送する PSK 方式について,同様に原理や数式での取り扱い,伝送の特性などについて説明を行う.

⑫ デジタル搬送波変調方式( QPSK , DPSK , FSK 方式)
搬送波デジタル通信方式の内, PSK 方式の一種である QPSK , DPSK 方式,周波数を変更することでデジタル情報を伝送する FSK 方式について原理や数式での取り扱い,伝送の特性などについて説明を行い,それぞれの特徴について解説する.

⑬ デジタル搬送波変調方式( QAM 方式)多元接続方式、 CDMA の原理
搬送波デジタル通信方式の内,振幅と位相を変更する QAM 方式について原理を説明し,無線通信で複数の局と通信を行う際に必要な多元接続について説明し,代表的なものを紹介する.その内の1つである CDMA について説明を行う.

⑭ 伝搬路モデル,OFDM方式,理解度確認
移動通信における伝搬路のモデルを紹介し,近年無線通信システムに用いられるようになったOFDM伝送方式について説明する.また本科目のまとめを行う.

⑮ 期末試験
①~⑥,⑧~⑭の範囲での試験を行う.試験内容は達成目標の1.~5.の範囲に該当する. そして科目のまとめを行う.

情報通信関連の国立研究所に在籍した経験を持つ教員が実際の研究開発現場における通信技術を利用した技術開発の実務経験を踏まえて講義を行う.

成績評価の方法

中間試験 (40 点 ),期末試験 (60 点 ) による。但し,中間試験の受験資格は,①~⑥の授業に5回以上出席していることである.出席とは適切に入室退室が打刻されていることであり,遅刻・早退は欠席とみなす.打刻ミスも欠席とみなす.オンデマンド授業回の場合,動画視聴が中間試験開始時刻までに視聴時間100%完了でなされていることを出席とする.それ以外は欠席である.
また期末試験の受験資格は,⑧~⑭の授業に6回以上出席しており,かつ中間試験を受験していることである.出席判定方法は上記と同様である.

中間試験では,達成目標1.~3.に対してそれぞれ設問を1~2題ずつ出題し,その解答により評価する.試験は 100 点満点で各達成基準に対し 20 ~ 30 点の配点を与える.
また期末試験では,達成目標1.~5.に対して問題を出題し,その解答により評価する.試験は 100 点満点で各達成基準に対し配点を与える.2つの試験結果をそれぞれ 40 , 60 点満点に換算して,その合計点により成績を算出する.

成績評価の基準
秀  達成目標を超えた成果を上げている 100点~90点
優  達成目標に十分達している     89点~80点
良  達成目標に達している       79点~70点
可  達成目標に概ね達している     69点~60点
不可 達成目標に達していない      59点以下

(各達成目標に対する基準)

1. ①~②の授業において通信の目的を理解し,通信に使用される信号が正弦波であることを理解し、通信信号のスペクトルや電力の概念が説明でき,フーリエ級数,フーリエ変換を用いてそれらの算出ができる.

2. ①~④の授業において通信システムに影響を及ぼす雑音について理解し,それらの種類や統計的性質が説明でき,数学的取り扱いが行える.また通信と雑音の関係を数学的に表現できる。

3. ①~⑤の授業においてベースバンド波形を用いた伝送の方法について理解し,信号の周波数とサンプリング間隔の関係について説明できる.また同様に,通信の伝送速度と帯域幅について説明できる。またパルス変調方式について理解し,説明できる.

4. ⑤,⑧~⑫の授業において各種のベースバンドもしくは搬送波アナログ・デジタル通信方式の原理を学び,ベースバンド伝送と搬送波伝送の違い,特徴を時間領域・周波数領域において理解できる.また各種の具体的な通信方式につき説明できる.

5. ⑩~⑭の授業において各種の搬送波デジタル通信方式の特徴を理解し,その伝送能力を数学的に算出できる.またデジタル通信方式を用いた実際の応用を理解し,説明できる。

事前・事後学修等の指示及び履修にあたっての注意事項

事前学習:講義資料を参考に,関連技術の基本事項について予習する。(120分)
事後学習:講義資料を参考に,関連資料を調査して授業ノートを完成させる。(120分)
授業計画や成績評価および基準の詳細は1回目の講義時間のガイダンスで説明する 。

教科書